確定診断と除外診断
子供が右腕を左腕で抱えて診察室に入ってきたら何が起こったと想像しますか?
医療も科学である以上、AだからBのような方程式のような流れが必要です
診断を行う際も、診察室に入ってくる様子の観察から問診、触診。。。という流れになりますが
あまりAだからBというような診断は見落としを招くのでよくありません
例えば足首の外側が腫れているのを見て、前方引き出し検査を行ったら関節が緩く、足部が前方に動く
即、前距腓靭帯の断裂と確定診断を下してしまうとだめです
これは実際にあったことなのですが、足首を痛めたバレーボール選手を見た際に、前距腓靭帯を損傷していましたが、レントゲンで見ると第5中足骨基底部に骨折の跡がありました
当時治療した病院で見落としがあったようです。。。
以前痛めた際に、下駄骨折(足関節の内反捻挫の際に短腓骨筋が急激に収縮すると第5中足骨の付着部が引っ張られて骨が剥離してしまった状態です)を見落とされて剥離した部分がうまく付かなかったようです
同じような骨折にジョーンズ骨折がありますが、稀に見落とされるケースがあります
こういう見落としをなくすために除外診断を行わなければなりません
まずはあるべき可能性を全て出します
そして、いろいろな検査を行って1つずつ除外していきます
そして残ったものが原因になり、それを確定させるために確定診断を行います
その際に起こるべき合併症にも考えを及ばせる必要があります
先の足関節の話であれば、足関節内反捻挫と前距腓靭帯の損傷に下駄骨折の合併がありました
前方引き出しだけでなく、第5中足骨底に圧痛が出ないかを見るべきです
こうだろうと言う自信が有っても、この除外診断を忘れないでください