関節を破壊する化膿性関節炎
前回は膝に溜まった水をどうするかの話をしました
非常に大事な話なので是非ご一読ください!
その中でわたくしの私見で膝の水は抜いたほうが良いという話をしましたが、注意しなければならない問題があります
膝も含めて関節内とは密閉空間です
そこに針を入れていくわけですから、衛生管理が完璧に行われてなければいけません
一般的な消毒としてアルコールでの消毒が行われますが、アルコールはすべての菌に有効なわけではありません
揮発性が高く、あとが残りにくく簡素であるため多用されているだけで、本当に消毒を行う場合は若干効果が低いと言わざるをえません
消毒の話はまt別でします
消毒が甘く針先に万が一菌が付着したまま関節に針を進めていった場合、関節内に菌が侵入してしまいます
それがタイトルにもなっている化膿性関節炎の始まりです
関節内は関節液で満たされていて栄養分も豊富で、この栄養を糧にどんどん増殖していきます
化膿性関節炎の原因となる菌には、黄色ブドウ球菌・連鎖球菌・肺炎球菌などがあります
この中でも特に黄色ブドウ球菌が原因になることが多いとされています
増えた菌は関節軟骨を破壊して、最終的には骨をも攻撃して変形させます
最終的には関節の動きが阻害されて、大きな運動障害が残ります
化膿性関節炎の症状としては、まず関節の痛みや腫れといったものがあります
手で触るとその部分に熱感があり、また悪寒がしたり発熱があったり、倦怠感や食欲不振などの全身症状が見られる場合もあります
いろいろな原因によってなりますが、関節注射などの医療行為を受ける際はリスクが伴う事だけは忘れないでください
簡単な消毒ではなく、しっかりとした消毒を行ってもらってください
アルコールではなく、クロルヘキシジン(ヒビテン)、テレビの手術のシーンでよく見る黄土色の消毒液・ポビドンヨード(イソジン)などを使う必要があります
また、処置が終わった後も滅菌ガーゼだけでなく、止血が確認出来たら保護フィルムを貼ってもらうのが、より丁寧な処置です
この病気は進行性なので、疑わしい症状が出た場合は速やかに医師に相談してください
プロのお医者さんなら、血液検査や関節液を見たらすぐにわかります
化膿性関節炎の場合の関節液は白濁した関節液が出てきます
症状が進みきってしまうと手術が必要となり、治ったとしても重い後遺症が残ります
関節内はデリケートであり、細菌感染には非常に弱いのです
医師からはその手の説明がなされることは稀なので、個人個人がしっかり認識しておきましょう