元に戻った?
以前サッカーをしている中学生が大腿骨(太ももの骨)を折って運ばれてきたことがありました
重症で脚を釣ったままの入院となりました
ただ、知識最後の大会が近いらしく、先生に
「どれくらいで元通りになりますか?」
と聞いていました
すると先生から
「2年くらいだね」
との返答が
教科書的な数字で言うと、大腿骨骨折の骨が付くまでは約10週間
しかし、先生は2年と
この差は「元通りになる」ということをどう捉えるかにあります
確かに若いので骨が付くだけなら10週間もかからないでしょう
しかし、ベッドで寝たきりななっている期間で筋肉は衰え、関節は拘縮(固まって曲がりにくくなる事)してしまいます
それらが、骨折して入院する前の状態になるまでは、とてつもない時間と労力が掛かります
人間は20歳をピークに体の色々な機能が衰えていきます
年齢とともにそのスピードは増します
ただ、患者さんに説明する時はざっくり1年に1%筋力が落ちると伝えてます
しかし、完全に寝たきりで過ごすと2日で1%筋力が下がると
それくらいずっと寝たままで過ごすと筋力が落ちるのだと伝えます
ですので、なるべく早期に患部のリハビリを始めて、筋力の低下や関節の拘縮を予防します
当然に関係のない筋肉や関節は、その日からでも動かします
絶対安静なのは患部だけです
話を戻しますが、それくらい低下した機能を戻すのには時間がかかるのです
リハビリの本来の意味は元の状態に戻すことです
現在は健康保険を使った場合に、各疾患毎に入院やリハビリできる期間が決まっています
それ故に満足にリハビリが終えれていないのに、病院では何もしてくれなくなります
骨が付いたら終わりではありません
そこは長いリハビリのスタート地点です
もちろん、家で自分で出来るリハビリもあります
病院に頼り切りにならずに、自分でも出来ることをしていきましょう!