木を見て森を見ない
木を見て森を見ない
物事の一部分や細部に気を取られて、全体を見失うこと
医療の現場ではこのことが往々にして起こります
痛めている一部分を見て体全体を見ずに局所のみの治療に没頭してしまいます
これでは根本からの治療とはなりえません
腰痛を例に見てみましょう!
腰痛になると不安定になった腰椎を安定させるために腹圧を高めるための指導を行います
具体的に言うと
前から腹筋で
後ろから背筋で
腹圧を高めます
そのために毎日腹筋100回背筋100回というように、それらの筋肉を鍛えにかかります
それはそれでよいが、それだけでは腰痛を根本から治すことは出来ません
なぜなら、なぜ腰椎に負担がかかっているのかが解決されていないからです
よく整形外科等の教科書に腹筋・背筋を小人に見立てて腰椎を前後から支えている絵を見ます
しかし、それだけで腰椎を支えているわけではないはずです
足元がしっかりしないとそもそもの土台がぐらつきますし、膝が曲がったままになっていると必然的に腰は曲がる
同じように首や胸椎にも同じことが言えます
個人的意見としては、腰痛持ちの人は膝のクッションの使い方が下手な方が多い気がします
膝の使い方が下手だと、必然的にデリック姿勢になったりしやすく腰に負担がかかります(デリック姿勢については別の投稿で書いてあります)
特に骨盤周りの筋肉は2関節筋と言って、多数の関節を跨いでるものが多くあります
股関節だけでなく膝関節も跨いでいます
そのため膝をうまく使えないとこの2関節筋群が緊張して骨盤のスムーズな動きにストップをかけます
特に前屈する際のハムストリングスの柔軟性は非常に重要です
ここが堅いと前屈していってもハムストリングスが骨盤を後ろに引っ張って、骨盤がうまく前傾していかずに腰に大きな負担がかかります
。。。
というように
痛めたその場所だけでなく、その人の全体像を見なければいけません
理由があり結果がある
その理由が何であるのかを追求する
医療にかかわらず、どんな世界でも常に意識しなければならない事ではないでしょうか?